2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

お笑いを論ずると結構奥深い(その2)

ナンチャンは、さらに、お笑い談義にとどまらず、自らを客観視する意義も説いています。 「もちろん自分の『やりたいこと』を追求する姿勢は大事ですが、それが見つからなくて道に迷ったときには『他人の目から見た自分』の適性について考えてみるのもいいの…

お笑いを論ずると結構奥深い(その1)

本の紹介にも書きましたが、『狂言でござる』(南原清隆著)は案外真面目な本です。 アメリカならそれだけで笑いになるボケにツッコミを入れて初めて日本人には笑いのスイッチが入り、このことは狂言に既に見られる「2つ揃って初めてひとつ(たとえば太郎冠者…

こんな本おもしろかったです(その6)

僕の「日本人の笑い」再発見 狂言でござる ボケとツッコミには600年の歴史があった南原清隆祥伝社発売日:2010-01-30ブクログでレビューを見る»まだ4年目の「現代狂言」ですが、この本を読んでぜひ観たくなりました。ところが、東京公演終わったばかり。来…

横浜中華街の春節に行って来ました

中国(旧正月)の元旦を祝って横浜中華街が賑わっているというので、みなとみらい線に乗って夜、のぞいてみました。 今年はバレンタインデーが元旦に当たり、獅子や龍の舞、銅鑼や中国古筝の演奏など盛り上がったそうですが、マーは混雑を避けて平日、会社帰り…

悩ましい脳〔なやましいのう〕(その2)

流行の「脳トレ」の代表格は、百ます計算のような簡単な計算問題をたくさん早く解くやり方で、ねらいは「前頭葉を鍛える」ことにあるそうです。この作業中に高次の精神機能を司るといわれる前頭葉の働きが活発になるのだという。小学校でもこの種の練習問題…

悩ましい脳〔なやましいのう〕(その1)

脳トレブームの現われでしょうか、書店に大脳生理学者、脳研究家、宗教家、占い師(?)などの手による本が山と積んであります。 脳ドックも普及してきています。MRIやCTで脳を輪切りにしたり血流の状態を探るなど診断技術も長足の進歩を遂げています。…

手水廻し(その2)

この落語の可笑しさはおそらく、村一番の長頭男が頭を廻してくれと頼まれたと勘違いして、高速回転し目を回してしまう場面と、主人と板前が手水をありがたく飲もうとして苦しむ場面にほぼ尽きる気がしますが、むしろそれ以上に、「わからないことは恥ずかし…

手水廻し(その1)

貝野村(海野村)の別名もある噺。 あらすじはごく単純で、田舎の商売熱心な旅館の主人と板前が、大阪から来た宿泊客の「ここへ手水(ちょうず)廻してくれますかな」(部屋に洗面の水を持ってきてくれませんか)という注文の意味がわからず、博識とされる、寺の和…

上野公園散歩

先週夕食をとった鴎外荘に手袋を忘れてしまったので、それを取りに行く序に上野公園を散歩しました(蛇足ながら手袋といえば我が家の場合、まずは絵本の『てぶくろ』です。下の本紹介に綴りました)。 最初に、4月から2年間のリニューアル休館に入る東京都美…

こんな本おもしろかったです(その5)

てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)福音館書店発売日:1965-11ブクログでレビューを見る»このお話には、引越しで転入してなかなか幼稚園に馴染めなかった愚息の学芸会で、舞台に登場した主役のおじいさんが愚息本人だったのを当日…

男の料理(その2)

《焼きギョーザ》 食事の際、自家製の物は、市販の物に比べて、よく売れる(あっという間になくなる。)ので、勢い家で作ることになります。本場、中国では水餃子が主流だそうで、具は食べる人の好みで思い思いに包むのだと聞いたことがあります。我が家はキャ…

「約束」ってなんだろう

村山由佳『約束』は一見絵本風ですが、数年前、中学入試問題の出典上位作でした。脱線しますが、小学校6年生が解かされる国語入試問題文の手強いこと。かなり心得のある大人でも満点を取るのは至難です。「たかが小学生の問題」と侮れません。 それだけに、…

こんな本おもしろかったです(その4)

約束村山 由佳,はまの ゆか集英社発売日:2001-07-05ブクログでレビューを見る»大人も子どもも読める稀有な小説の一つ。挿絵の淡い色合いが好きです。重いテーマで気持ちが内に向かいがちなところで気分転換に外の景色を見てはどうですかと促してくれるよう…

いわゆる7・5・3現象について(その2)

多数の識者の玉石混交の議論がある中で、一つの要因は「仕事に対する飽き」と考えます。長閑だった学生時代とサラリーマン生活との、あるいは入社前後の期待と現実とのギャップの大きさから3日ともたないで会社を飛び出す人がいるとして、その他大勢は少し…

いわゆる7・5・3現象について(その1)

この就職難の昨今でも「学生がせっかく卒業して就職できてもすぐやめてしまう」傾向が続いています。就きたい仕事があっても、なかなか思い通りにならず、取りあえず就職をしたものの、「やはりこのままではやっていけそうにない」と結論して会社をやめる人…

かわりめ(その2)

酔って帰るとやめればいいのに、家でさらに晩酌するのもよくありそうなパターン(実は私もこれまでたびたび家内に叱られました。)。「なんぞあて(酒のつまみ)はないか」とあれこれ要求すると、奥さんが予防線を張って悉く「いただきました」と答え、つい…

かわりめ(その1)

米朝さんの語りが好きで同じCDを2桁回聞いています。それでも改めて聞くとやはり可笑しい。落語の魅力です。 (以下、『桂米朝コレクション3(ちくま文庫)』を参考にしましたが、多くは耳に残っている声に拠りました。) まくらは、酒呑みの話です。「人…

滞在記・旅行記(その1)

冬季五輪開幕で、テレビに雪景色が映し出される時間が増えました。今年は日本でも雪が多いみたいですね。私にとって雪といえば山形県。ここでは、仕事の関係で2年間過ごしました(就職してからこれまで10回引っ越し)。実は、転勤の内示を受けたとき、山形…

鴎外荘に行ってきました

昔哲学少年だった風流人のおじさんコメントにあった『寒山捨得』の流れに偶然つながるのですが、上野にある森鴎外旧居跡、「水月ホテル鴎外荘」でドイツをこよなく愛する師と会食する機会に恵まれました。 『舞姫』が執筆された部屋や文学碑がある記念館であ…

『夜間飛行』といえば僕はジェットストリーム

下の本棚『夜間飛行』から連想するのはマーの場合、30年も前によく聴いていた、東京FMで午前零時から始まる番組「ジェットストリーム」です。 ミスターロンリー(Mr. Lonely)のメロディーに乗せてのナレーションは、それに続くイージーリスニングの調べと…

こんな本おもしろかったです(その3)

透明約束川上 健一光文社発売日:2009-08-20ブクログでレビューを見る»バンクーバーオリンピック間近。この本は表題からはわかりませんが、カナダもの短編集です。「バンクーバーの雪だるま」という話もいいですが、一番気に入ったのは「夜間飛行」。ネジづ…

たまには哲学書などどうでせう(その2)

さらに、「ほんまかいな」という議論に移ります。「横縞よりも縦縞の方が『いき』であるといえる」 なんでそうなるの!?「横縞よりも縦縞の方が([注]両目の位置や動きから)平行線を平行線として容易に知覚させる・・・」 「縦縞には(横縞と違って)重力…

たまには哲学書などいかがでせう(その1)

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)作者: 九鬼周造出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/09/17メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 50回この商品を含むブログ (90件) を見る九鬼周造『いきの構造』(岩波文庫)より。哲学書の古典で、優れた解説もいくつか…

ある地酒の店の思い出

盛岡のお酒好きおじさんが今日も美味しくお酒を嗜むことができるよう祈念しつつ、昔話をしてみたいと思います。 20年余り前のことですが、赤坂に「地酒の店・八」という、飲み屋がありました。 蔵元のオジサンよろしく、前垂れをつけた雰囲気のある、やや…

男の料理(その1)

大概の定番メニューは、お手本のレシピをよく読まず、勘と気分で作ってきました。そんなわけで、ここに時々紹介する料理は、材料の量を計量カップ・スプーンで測ったこともなく、あくまで「いい加減」。正確にいうと、同じ料理は二度と作ることができません…

あるお酒呑みの感想(その2)

瓶のラベルにはたいてい「日本酒度」や「酸度」が表示されており、これが濃醇-淡麗、辛口-甘口の手がかりになります。月桂冠(そういえば祖父が愛飲していました。)のホームページから引用してみます。 《甘辛の感じ方を左右する「日本酒度」「酸度」/「日…

あるお酒呑みの感想(その1)

私は、自分の限られた経験からは、「世界で一番美味しい酒は日本酒」と思っています。もっとも、専ら一升瓶で3000円前後の地酒を楽しんでいるので、そのレベルでの比較に過ぎません。 日本酒の魅力の一つは、種類が多く、同じ銘柄でも美味しさが違うこと…

柴又帝釈天に行ってきました

「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい…」映画『男はつらいよ』寅さんで有名な帝釈天に昨日お参りしました。 『男はつらいよ』は案外意味深い台詞に満ちており、次の一節他がかつて東京大学の入試問題に出題されたことがあるほどです(感…

こんな本おもしろかったです(その2)

キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)長 新太文研出版発売日:2005-02ブクログでレビューを見る» 一番好きな絵本の一つ。長新太の絵は学校の美術だったら何点もらえるのかビミョーなんですが、子どもの反応が飛び切りよかったです。読み聞かせて本…

血液型性格診断考(その2)

血液型信仰がこれほどまでに浸透したのはなぜでしょう。 一つは、「当たると面白い」から。正解の確率は1/4でゲームとしても手頃です。 次に「相手を選ばず話題にしやすい」ことがあります。仕事で年配の企業経営者とよく会う部署にいたとき、当り障りの…