上野公園散歩

先週夕食をとった鴎外荘に手袋を忘れてしまったので、それを取りに行く序に上野公園を散歩しました(蛇足ながら手袋といえば我が家の場合、まずは絵本の『てぶくろ』です。下の本紹介に綴りました)。
最初に、4月から2年間のリニューアル休館に入る東京都美術館で開催されている『ボルゲーゼ美術館展』を観ました。ルネサンスバロック美術の宝庫とされる17世紀イタリアのボルゲーゼ枢機卿の個人コレクションを集めたボルゲーゼ美術館(元ポルゲーゼ邸)の展示品がずらりと並んでいて、中には、有名なラファエロの『一角獣を抱く貴婦人』が含まれていました。
この作品は後世の画家が手を入れて別の構図になっていたため、一角獣はラファエロの原作を復元するために加筆部分を取り除いたときに、初めて現れてきたとのことです。復元作業をしていた人の感動や驚きはさぞ大きかったことでしょう。
その後、遅い昼食を東照宮近くの韻松亭(いんしょうてい)でとりました。創業130年の老舗で、日本画家・横山大観がオーナーだった時期もあるそう。席からは、やわらかい日射しを浴びて色鮮やかな紅梅・白梅が間近に見え、春の予感を覚えながら美味しい食事を堪能することができました。三の重まである花籠御膳(3500円)は少し贅沢ですが、品数が多くおすすめです。 
韻松亭から坂道を下ると医薬の神様『五條天神社』がありました。そこに張り出されていた言葉が「なるようになる 心配するな」。朝、病院に行った帰りに上野まで足を延ばし、こんなところに医薬の神社があるとはつゆ知らなかったただけに、「神様からのメッセージ」のように思えました。

手袋を忘れて、かえって散財してしまいましたが、思いがけない発見もあって、散歩してみてよかったなと心から感じることができた一日でした。