あるお酒呑みの感想(その2)

瓶のラベルにはたいてい「日本酒度」や「酸度」が表示されており、これが濃醇-淡麗、辛口-甘口の手がかりになります。月桂冠(そういえば祖父が愛飲していました。)のホームページから引用してみます。
《甘辛の感じ方を左右する「日本酒度」「酸度」/「日本酒度」は、水(±0)に対する酒の比重を「日本酒度計」で計ったものです。この比重は、糖分を中心とするエキス分が多い酒ほど重くなりマイナス(−)に、エキス分が少ない酒ほど軽くなりプラス(+)に傾きます。「酸度」は酒中の有機酸(乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)の量を表しています。有機酸は、酒の味に酸味、旨味をもたらします。日本酒度のマイナスの数字が大きいほど濃醇で甘く、プラスの数字が大きいほど淡麗で辛い傾向にあるといわれますが、実際には酸度にも影響されます。日本酒度が同じ酒で比べると、酸度が高いと甘味が打ち消されて辛く、逆に酸度が低いと甘く感じます。 》
たとえば、同じ「淡麗辛口好み」の人でも、「日本酒度」+20、「酸度」2と「日本酒度」+1、「酸度」1.5を飲み比べて、どちらも同じと感じる人は少ないはずです。
大雑把な目安は、「日本酒度」プラスが辛口、マイナスが甘口、「酸度」2を超えると濃く、1の前半以下はあっさりめと区分けするくらいでしょうか。おそらく、このようないい加減な基準で、値段も見ながら酒を選び、実際飲んでみた感じと重ね合わせることを繰り返していくうちに、ラベルと銘柄を一目見ただけで味わいの相場感が浮かぶという達人の域に近づくのでしょうが、ぼんやりストは、うまいと思った酒はつい飲み過ぎ、瓶が空く頃には「日本酒度」「酸度」なぞどうでもよくなっているというのが正直なところです。
それから、もう一つ。「これは、いい酒だから二日酔いにならない」と言われることがありますが、そんな魔法の酒にお目にかかったことは未だにありません。二日酔いにならない酒をすすめられるたび、その言葉を真に受けては、翌朝人間不信になるのが、私の歴史でもあります。