直ちに健康には影響がない

今回の大震災で、放射線物質の残留濃度などの説明の際、標記のような表現をされることがあります。
これは、かえって不安を掻き立てるのではないでしょうか。


「直ちに」はすぐにか、あるいは直接的にという解釈になりそうですが、裏返すといつかは、あるいは間接的には何か悪影響があるようにも受け止めることができます。
おそらく、判断基準の曖昧さが関係しているように思います。
特に安全というラインのわかりにくさです。原子力に無知の素人は、専門家といわれる方の解説を聞いてかえってわからなくなったり、不安が増したりということがあります。
ゼロでない残留物質がありながら、大丈夫というのは多分に個人の価値観に関わる問題かもしれません。
なぜ、ゼロでなくとも微量(?)であれば人体には関係なしといえるのかの基礎知識が素人には不足しています。


情報をオープンにすることは信頼関係を維持する上でも大切なことであり、放射性物質についても頻繁な数値の公開が求められることでしょう。
ところが、公表のたびに当惑したり疑心暗鬼に陥るのでは逆効果でもあります。
数値を読み取る基礎的な知識がないままにデータを知らされても混乱するばかり。


基礎知識の習得は結構高いハードルなので、いっそ解釈できないデータは仮に親切であっても知らせてもらってもなぁという気がしてなりません。
一方で知らせてもらって然るべきデータが隠されている可能性も否定できません。
最近、電波によく載る難解な用語やデータに触れるたび、公表する事項や内容の難しさを感じ、つい話題にしてみた次第です。