いわゆる7・5・3現象について(その1)

この就職難の昨今でも「学生がせっかく卒業して就職できてもすぐやめてしまう」傾向が続いています。就きたい仕事があっても、なかなか思い通りにならず、取りあえず就職をしたものの、「やはりこのままではやっていけそうにない」と結論して会社をやめる人が後を絶たない模様。
「新卒就職者のうちその後3年以内に離職した人の割合」が中学卒で7割、高校卒で5割、大学・短大卒で3割を指して「七五三」といわれたのが今から10年ほど前の就職氷河期でした。その後、大学・短大卒の離職率はさらに上がり「七五四」(高卒がやや下がっているので「七四四」に近づくかも)時代になりつつあります。
この背景の一つとして、一部を除く学校の就職支援機能の弱さや、学校を離れて気軽に利用できる頼りになる職業相談機関の未整備があり、就職に強い学校の学生以外が独自の戦いを強いられた挙句、不本意な、または安易な仕事選びをしてしまうことが挙げられます。
数十社にエントリーシートを出しても就職はおろか面接にすら進めない学生が今やごまんといます。
そんな中で曲がりなりにも正社員として就職できたのに3年以内で離職する大学卒が4割。たとえ十分には満足できない就職だったとしても、これほどあっさりと会社を辞めるのはなぜでしょう。新入社員がシゴかれたり、残業が結構あったりするのは昔も今も大差なし。若くて体力があるだけに、仕事がハードで疲れ果てての離職ばかりではないでしょう。