こんな本おもしろかったです(その16)

幅広い文献を渉猟し、印象派誕生に関わった魅力的な人々を丁寧に描いています。
全体に著者は頭で絵を観る人のようで、絵の中の人物や調度についてそれぞれの背景も含め詳述されていますが、絵の見方は人によって違うだけに読者と「本との相性」がぴったり来る場合とそうでない場合がありそうです。
特に「草上の昼食」や「ブヴィエの壺」の記述はやや理屈っぽく断定的に感じました。
ただ全体にはなるほどという部分が多く、本に納められた図版は130余りに及び、その中身も名作揃いで、できればカラーの大判の本で改めて読んでみたい気がしました。