寄合酒(その1)

肴や酒を銘々が持ち寄って飲み会をするという噺で、例のリンクフリーとのことで重宝しているライブ記録http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/index1.htm でも、人気ランキングの89位(475作中)に顔を出しています。この噺には落語のお惚け(枝雀的には「緊張と緩和」?)が網羅されているような気がします。


一番手の持ち寄りは一升三合ほどの酒。なぜ一升を越えたかと言うと、近眼の酒屋の親父に底が抜けた一升徳利で量り売りをさせ、せしめた物。


二番手が持ってきた鯛は実は、赤犬が店先の魚を銜えてきた品の横取り。


次がボオダラ。これは新聞を読み耽っている乾物屋の親父に、店先の品を取り上げて「この店は高いなぁ。向こうの店では同じ値段でこんなに大きいボオダラ売ってたでぇ」と持ちかけて(盗み取った)品(⇒話が逸れますが、新聞に熱中するオジサンの実物を先日蕎麦屋で見ました。食い入るように紙面に集中していて、コワイほどでした)。


そのあと出て来るのが鰹節2本。調達方法は、気の弱い鰹節屋の子どもに「鬼ごっこしましょう」と持ちかけ、店から商品の鰹節2本を持ってくるよう言って、以下が鬼ごっこの実況中継。

「ボンボン、オッチャンの顔よぉ見なはれや。オッチャン鬼でっせ、鬼に角おまっしゃろ、恐ぉおまっしゃろ」言ぅて「ボンボン噛もかぁ〜」言ぅたったら「オッチャン、恐い〜」言ぅとんねん。
「ボンボン噛もかぁ〜」言ぅたら「オッチャン、恐い〜」言ぅて。
これ三べん言ぅといて、しまいに大きな声で「ボンボン、噛もかぁ〜!」「オッチャン恐い〜ッ!」慌てて逃げて帰りよってね。
その間にそぉ〜ッと懐に入れて持って来てんけど、みんなで噛もか?