鹿政談(その1)

平城遷都1300年祭で湧く奈良(当地在住の友人によると盛り上がりを欠くそうですが)でまず連想するものといえば、大仏、鹿あたりでしょうか。


いきなり脱線しますが、下の写真集はなかなかおもしろかったです。素人っぽい構図の写真にかえって親近感を覚えますし、一見威圧的にも見える(愚妻は大きな仏像恐怖症で、大船駅近くを電車で通ると決まって観音と反対側の窓にピッタリ張り付きます。)大仏に人格が与えられたかのような雰囲気から可笑しみが醸し出されるようです。


鹿については、10年ほど前、姫路セントラルパークに友人が連れて行ってくれた時、私の次男(当時4歳くらい?)が機嫌よく餌を動物にばら撒いていたら、元気のいい鹿が餌目当てに次男に向かってまっしぐら、勢いに押されて後ずさりするばかりの彼はとうとうベンチに追い詰められて半泣き。
実は、奈良公園での40云年前のマーの姿とそっくりで、歴史は繰り返すものだと改めて感じた次第です。


ところで、『鹿政談』は、生粋の奈良県人で正直者の豆腐屋さんが、商売物のきらず(雪花菜、卯の花、おから)桶をひっくり返して貪るように食っている大きな犬(のような動物)に、割り木を放り投げたら当たり所が悪く死んでしまったところから話が始まります。