いわゆるお役所仕事について(その2)

いわゆるお役所仕事を大ざっぱに要約すると、「思いやりやちょっとした気配りのなさ」、「コストや時間感覚の不足」、「変化や柔軟性を嫌うこと」あたりでしょうか。
利用者にまっすぐ向き合うだけでも、サンドイッチをレジに出したお客さんが鰻弁当を今食べたいと思うか、マクドナルドで10人前のセットを注文した人が「お店でお召し上がり」かどうか、普通は見当がつきそうなもので、このくらい気配りをしても損にはならないでしょう。
個人レベルでは、窓口の応対の冷たさで傷つけられることに不満が集まりそうです。
ビジネスで手続きに来る人、たとえば事業主がこのようなお役所仕事に直面した場合、どこに一番腹を立てるか。おそらく、コストではないでしょうか。
窓口に赴くだけでも、仕事の工面をしたり、資料を整えたり、事前にかなり手間暇や目立たない経費がかかるはず。
遠方から、交通費をかけ、あるいは時間との戦いで車をとばして窓口にやってくる人もいることでしょう。
通常なら数分で済む手続きに時間単位で立ち往生させられたり、わずかな書類の不備で再来を求められたら、損害を被った気になるのが普通では。
「定められた手順通りまじめに処理しています」という窓口側と「もうちょっとだけでも親身に応対してほしい」、「サービス一つ受けるのに意味なくコストや時間がかかり過ぎる」という利用者側のイライラ感とがお互いに理解・納得されないことが、お役所仕事という不幸な言葉の背景にあると思います。
手続きに時間を要することは事前に説明を尽くすことで、あまりにわけのわからない応答は利用者の気持ちにわずかな想像をめぐらすだけで、そしてサービスを受ける側もその姿勢を前にして苦労や努力だけでも理解できれば、「怒りやイライラ」の連鎖は少しでも和らぐんじゃないかなぁ
気持ちよい窓口をつくるのに、「サービス改善会議」の類はあまりいらず、ちょとした思いやり(お客さんの表情をよく見てみる)の方が今すぐにもできるやり方だと思うのです。