こんな本おもしろかったです(その14)

≪ご覧のとおりのコンパクトな新書ですが、ざっと見渡しただけでも、「返報性、互酬性、互恵性の原理」、「過剰な正当化効果」、「代理罰(代理強化)」、「交渉とコンフリクト」、「服従」、「リアクタンス(反発)」、「ブーメラン効果」、「反駁付き両面提示」、「社会的促進」、「漏れ聞き効果」、「情動感染」、「社会的証明」、「集団極性化現象」など、心理学のおもしろいテーマ満載です。このブログでもこれらのテーマをいくつか折々に取り上げてみたいと思います。≫【明日から4/21(金)までお休みします。土曜日には、またまた装いも新たに始めるつもりです】

どの章も「人は〜に弱い」となっていて、思わず引き込まれます。
「弱い」は「影響力を受ける」とほぼ同義ですが、心理学のかなりの分野は人間の「弱い」ところを探究している気がします。
強い人間にいきなりなれなくとも、弱さの自覚なら少しくらいできそうです。逆にいえば、弱さの自覚があってはじめて、強がりを脱して本当の強さに一歩近づくのではないでしょうか。
この本は人間の心を狭い枠組みにとらわれずに、弱さという一般的な言葉から出発して、実生活との接点も意識しながら見つめている印象を受けます。
最新の文献も多く紹介されており、「心理学入門」と銘打った書物以上に入門書(それでいてレベルも低くない)の価値を秘めた労作だと思います。