こんな本おもしろかったです(その7)

一昨年〜昨年にかけて10巻発行されているシリーズ。名画でも知らないことやつい見過ごしてしまう点がたくさんあることに気づかせてくれます。
モナ・リザ』、『聖アンナと聖母子』、『洗礼者ヨハネ』に共通する微笑みやテーマとしての永遠の女性像が語られますが、単に知識としてでなく絵に向き合って読み解くことを通じた説明には臨場感があります。
「名画をみる眼」(正・続、岩波新書高階秀爾著)もかつてワクワクして読みましたが、新書版の制約と絵が白黒なのが想像力の妨げになりました。その新書発刊から40年ほどを経て、印刷技術も進歩し、読みやすい、しかも味わいのある絵本風のシリーズに出会えたのは幸せ。
同じ絵でも切り取ってみたり、試しに色調を変えてみたりなど、まるで手品を見ているよう。
こんなスタイルでもっとたくさんの作家をぜひ取り上げてほしいです。