エスカレーターの立つ側(その2)

 東と西で色分けできるものには、他にもうどん出汁、餅の角と丸、雑煮(すまし汁か味噌仕立てか)などがあり、「冷奴には生姜かカラシか」でも生姜優勢ながら地域差がみられます。
 おでん種の地域差について、実際に店で食べて調べたライターの報告がつい先日のテレビ(毎日放送となりのマエストロ』)で放映されていましたが、やはり似たような事情にあるみたいです。それによると、「東京の定番おでんのちくわぶは、もともと関西にない」、「大阪の定番おでんの牛すじは静岡より東にはない」、「はんぺんは、東京〜神奈川で白はんぺんだが、静岡で鰯で作る黒はんぺん(静岡のおでんは黒おでんと言われ、青海苔+鰹節粉をかけるなど独特)となり、愛知〜三重では、さつま揚げ=はんぺんに変わり、滋賀〜京都では、消滅する」など、「衝撃的な(?)」実態でした。
 朝日新聞記事(2008年5月25日の日曜版)は、食文化の分岐点の目安として電気の周波数が変わるフォッサマグナ付近を挙げています。
 話のついでですが、「たぬきそば」と注文すると東京と大阪では違う食べ物が出てきます(具が東京は揚げ玉、大阪は油揚げ)。これまた、東海道での分岐点は関が原あたりだそう。大阪出身の私としては、東京から「たぬき」という麺類の名称だけが関西に伝わり、「「たぬき」ってなんや? よぉわからんけど、「きつねうどん」のうどんだけそばとひっくり返しといたらどうや」と関西人が考えたという説を支持します。ちなみに京都で「たぬき」を注文したら、刻み油揚げのせの、あんかけが出てきたと記憶しています。大阪の「たぬき」はそばのみなのに対して、京都はうどんもそばもあるみたい。
 このあたりの議論(?)は、次のホームページに詳しいです。
 http://weekly.freeml.com/chousa/kitutanu02.html