過去をふりかえることについて(その1)

幼少時(大概はデフォルメされていますが)の夢を見ることは時々ありますよね。
たまにそんな夢を見てふと目が覚めると、その当時から今までのことを脈絡なく思い出している自分に気がつくことがあります(そのまま寝付けないことも)。
床の中でぼんやりしているせいか、若い時に思い描いていた自分と今の間の断層を感じることもしばしば。
ここまでの人生は偶然が多く、自分で切り開いたと得心できるものが大してないような気もします。
「計画された偶然」(Planned Happenstance)という言葉があります。
スタンフォード大学のクルンボルツという先生が唱えた説で、日本では「わずかのチャンスも逃さず果敢に行動しよう」とか「幸運は自ら作り出すもの」という「頑張らなきゃ!」という文脈で語られることが多いみたいです。
でも論文('Planned Happenstance:Constructing Unexpected Career Opportunities' John.D.Krumboltz et al.[1999]. Journal of Counseling & Development,Vol.77)を見る限りは、(特に職業生活をふりかえってみると)偶然と思えた出来事が案外それまでとその後の仕事をつなぐきっかけとなっていたり、職業キャリアの転機となる機会(偶然)を単なる成行きとしてでなく意味づけをしてみるのが新たな可能性(あるいは限界)を見出す上でも大切なことを、むしろ強調した発想ではないかと思います。
だとすれば、一見偶然の繰り返しに映ることも「そういうふう(そうなるように)にできている」のかもしれません。