犬について

昨日、盛岡の風流人さんが犬の話をくださったので、道草を食います(愚息が小学校低学年のとき、本当に道に生えている草を食べる意に解していたのを思い出します)。
つないであるはずの苦手な犬が伸縮自在の綱で目の前に来たら、さぞコワイでしょう。
不真面目ながら私の頭には、ゴムパッチン芸の『ゆーとぴあ』(コンビ解散したそうですが)が浮かびました。この芸は見るからに痛そうで好きではなかったのですが、このうちの一人が講演で「人生は長いようで、短い。短いようで長い。そう、この一本のゴムのように!」と語ったそうで、「人生を語るような深い芸だったのか」と妙に納得した次第。
マーは犬年で、噛まれるなど恐ろしい経験もないのに、ややコワです。ただ、ソフトバンクCMの白犬は表情豊かで好きですし、散歩に出してもらって嬉しそうに笑っている(?)柴犬の顔を見ると「よかったねえ」と言いたくなります。人中での放し飼いは論外ですが…。
古い話ですが高校時代、野良犬が授業中の教室に入ってきて、あろうことか私の机にまっしぐら、椅子のそばに置いてあった鞄の弁当を取り出そうとファスナーのあたりをガブリガブリと齧り出したことがあります。先生は苦笑しながら見て見ぬふりをするし、隣席のガリ勉生は助けようともしないし、孤立無援で恐怖の数分間を過ごしたことがあります。
「なぜ野良犬が授業に乱入できたのか」、「よりにもよってどうして僕の鞄だけ齧られなければならないのか」など、登校前に全く予想できない出来事にただただ茫然とするのみでした。
えっ、「弁当はどうなりましたか」ですか?確か、犬はどうしても鞄を食い千切ることができず、踵を返して(?)一吠えもせず立ち去ったはず。
「それなら無事で何より」−いえいえ、どうしてどうして。当時の私には、歯型でズタズタになった鞄と、それに師や級友への不信感が残されたのですから。
お後がよろしいようで。