みんな一緒でなくてもいいんだけどなぁ(その1)

4月だから、入社式の類でしょうか、黒のスーツに身をつつんだ若い人をよく見かけます。熾烈化傾向にある就職活動をもう少し穏やかで気楽な姿にできないものでしょうか。下に挙げた本の舞台は特別な業界とはいえ、正社員の選考をここまで厳しくしなければ、会社が求める人材を採用できないんだろうかという素朴な疑問が湧きます。採用活動の早期化と有望な学生の囲い込み(さらには何社応募してもダメで自信喪失してしまう人の増加)が気がかりです。
情報化の時代ですから、面接のやりとりが瞬時に広まり、学生や就職支援業者が挙って、万全の備えをすればするほど、次回以降の採用面接はハードルが上がるのでは。
本来、採用側ももっと普段モードの応募者の雰囲気を見たいはず(マーの限られた経験でも、採用選考でどの学生も判で押したような模範応答をするのに閉口したことがあります)。皮肉なことに、採用側のみならず応募側も横並び感覚で、ついついシューカツを難しくする方へ加担しているような気すらします。
序にいうと、「リクルートスーツを黒」と決めたのは誰でしょうか。たぶん会社説明会や面接会に参加する学生の95%以上は黒スーツ着用だと思います。「茶やグレー、淡い青や赤系統の色でもええやんか」とふと思います。「同じ鳴き声のカラス」風学生に分単位で次々と面談する採用担当者の中に、「おもしろくないなぁ」とか「みんな同じでわかりにくいなぁ」という声があっても不思議じゃないんだけれど。