想像力を働かせたい(その2)


副都心線の駅の場合、椅子を増やせば即解決という単純な話ではないのかもしれません。コストもかかりますし、座る人が通行する乗降客の邪魔になるおそれもあるでしょう。
マーは、身体障害者にやさしい模範的な宿泊施設に泊まったことがあります。浴槽には全室立派な取っ手が付いていましたが、湯船に浸かってから立ち上がった時にその取っ手で腰を強打!危うく怪我をするところでした。「障害者にやさしい」配慮が「その配慮が必要ない」者にとって「コワイ」ことになり得ることを身をもって知りました。おそらく、こんな事故(寸前)は多分想定外。でも、あらゆるお客さんを迎えるなら想定しておくべきことだと思います。
テレビで話題になった事業仕分けについてみても同様。利用者が極端に少ない事業がいくつか叩かれていましたが、その中には緊急対策とやらで俄仕込みで立案した事業が含まれていた模様。指摘されていたように、もちろんPR不足が一因でしょうが、それ以上に受益者や利用者の姿を思い浮かべる気持ちや時間のゆとりもないまま形にした結果、「サービスの対象になる人が思いのほか少ない」ために利用が少なかった可能性が否めません。
新規開店、新駅開業、ホテルオープン、新制度発足、いずれも新たにコトを起こすのだから、最初にちょっとだけ想像力を働かせればもう少しうまくいくかも。もちろん完璧はあり得ませんが、大してコストをかけずにずっと多くの人がうれしくなるようなささやかな工夫のヒントは、案外あちこちに転がっているような気がするのです。